狙われた ウシワカ
夕暮れの夏。
暑さも弱まってきたようで、午後の5時ころには、若干ですが
涼しげな風が家の中に漂い始めています。
秋風とも違う、何とも言えない風情がある風です。
夕御飯の支度をしていたカミさん。
家の中にはその時、
ウシワカとクーちゃんと、チコが居てご飯を食べたりしていました。
別の部屋で少し仕事のようなことをしていたわたしの耳に、、、
突然に、
・ガッタンガタガタッ・
とモノが落ちたかのような音が聞こえてきました。
同時にカミさんの、・アレ～・、という声も。
何があったんだ？・・・とカミさんのところへ歩み寄ると、
・・・・・・・
ご飯を食べていたチコのところに、ウシワカがやってきて、チコの背後から
突如襲うようにお尻から脅かした、と言うのです。
ヒトのようなそんなマネ、ネコがするのか？
ウシワカの背後からの襲撃に驚いたであろうチコが、その場で真上に
飛び上がって、テーブルの上に跳ね上がり、
テーブルの上にあった小物を蹴散らして逃走したとのこと。
さらに、その近くに居た、クーちゃんまでもがそのチコの驚きように
倍加して驚愕した模様で、
一緒に部屋の中を走って逃げていったようであります・・・。
・・・・ウシワカはしてやったりだったのでしょうが・・・・
その後、おもしろい光景を目にしました。
こんなことってネコ、、、、するんだなぁ、と興味深い行動を目にします。
驚いて、部屋の中を駆け回るように逃げたクーちゃん。
あたかもその原因がどこにあったか、と分かっているように・・・元の
場所に戻ってきて。
（それがすごい。）
舞い戻ってきたその場所で、溜飲を下げたであろうウシワカは、横たわり
毛ずくろいをしていました。
・・・別な部屋からゆっくりとノシノシと歩いてきたクーちゃん。
シッポがまだ驚いた時の様子を表すように太くなっているままです。
その歩みは、どう見てもウシワカに向かっているようで・・・・。
ウシワカは悠然と床に横たわりながら毛ずくろいを続けていました。
近くまで歩み寄ってきたクーちゃんを横目で見ながらウシワカはペロペロと
手指の爪をかじっています。
（ネコは爪をかじりとる行動をします。）
瞬間的に、クーちゃんがウシワカを襲います。
クーちゃん、ウシワカの横たわっている状態へ、急襲をかけたのです。
びっくり仰天のウシワカはここでその身軽さをいかんなく発揮するのですが、
クーちゃんも、もともと身体能力はとっても高いのです。
追うクーちゃん、追われるウシワカ。
デットヒートのようなネコのマッチレースが始まりました。
ウシワカはクーちゃんに完全に報復の対象になり、狙われたのでありました。
逃げるウシワカは、あっちこっち走り回ってとうとうその身軽さゆえにウシワカしか
登れない説明できない高い場所まで逃避しました。
なんと説明すればいいのか・・・干物のポールがあって、
本来それを飛び越えていくにはかなり難しい高い場所です。
ウシワカさえも、おそらく初めて登ったのだと思うのです・・・これまで
見たことなかったですし。
クーちゃんは、さらにしつこかった。
クーちゃんのしつこさは子ネコ時代からのものであり、今に始まったことでは
ありません。
ナデナデしてやると、ちうまでたっても止めて・・ということがなく、疲れて
しまうわたしたちでした。
しつこさは天下一品なのです。
高い場所で、そこに登る手前にポールが備わっていて、飛び越えることさえ
難しいその場所で、
ウシワカは目を丸くして、下に居て見張っているクーちゃんを見ています。
クーちゃんがすごいのはここから。
その後、１５分以上、ウシワカをその場で見張り続けていたのですから。
で、どうなったか？というと、
一時あきらめて、その場から撤退したように、見せかけたクーちゃん。
・・・・・
・・・・
1時間以上、安全地帯でゆっくりとしていたウシワカが、気を取り直した
ように下に降りてきました。
その時、
カラダの横側から体当たりしてウシワカを倒しにかかったクーちゃん。
恐れ入りました・・・・本当にこれはすごかったです。
それでも、・・・ウシワカらちびっこネコ兄妹たちの教育係のクーちゃんですから、
ケガをさせるようなことなく、
涼しげな風がそよぐ外で、
地面に横たわりながらクーちゃんが見つめるているのは、ウシワカやキラ、
そしてチコが遊ぶ姿なのでありました。
クーちゃんは、さすがにお利口さんでした。
この子は、きっと長生きすることでしょう・・・アタマ良いですから。
標的にされたウシワカも、クーちゃんが見ているところで元気よく遊んで
いました。
教育係のクーちゃんの、許容力は素晴らしいです。
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