ネコの世界

グーちゃんは元気に生きていました。


大げさかもしれないけれど、本当に心配していました・・・
誰かにいじめられてケガを負い帰ってこれなくなったのか？


また、大敵であるイヌなんかに追いかけられ、逃げ惑うちに
迷ってしまったのか？


クルマの事故に遭ったのではないのか？



でも、違ってました・・・グーは、いつもと変わらず元気な姿でわたしたちの
前に姿をみせたんです。


・・・すぐにまた外の世界へ行ってしまいましたが、、それでも、
また必ず帰ってきて元気な顔を見せてくれるでしょう。



不思議なのは、いったいどこに居るのか？・・・です


わたしの住んでいるところは郊外で、たしかに田舎と言えば田舎なのですが、
家の前は河川敷の道路で、その向こうにはそんなに大きくはない


川が流れています。


わたしの家の後ろ側は、ほとんど住宅が立ち並んでいます。


ネコが住宅地の中で隠れて一晩も二晩も、ましてや２０日間も過ごして
いれるとはとうてい思えません。


ネコはたしかに住宅地があると、一度や二度、または飽きるまで、
散策して歩きます。


わが家のネコたちも当初は裏側の住宅が並んでいるところへ何度も
行ったことがありました。


しかし、それも、飽きてしまうのか、一向に行かなくなります。

グーちゃんだって同じように住宅街に何度も行ったことがあります。



昼にどうしているのか？
夜に出歩いているのはわかっていることですが・・・。


何度も名前を呼び、グーちゃんを探しましたが、結局姿を現しませんでした。


どこかで、わたしたちが探している様子を見ていた可能性もあります。


きっと、見ていたはずなんです・・・だって、近くにいるはずなんですから。



わが家のネコたちは去勢手術、避妊手術をしているので、
行動範囲はそんな広いわけではないはずです。



それでも、見つけられない・・・。



夜、目が覚めて、ふと外に出て、グーちゃんの名前を何度か
呼んでみたことがあります。



でも、応答もなく、気配すら感じませんでした。


もう、生きていないんじゃないか・・・？



そう思うと、やるせない気持ちが膨らみ、眠れない時間を過ごしました。


ネコの世界のことはヒトには理解できないし、把握できません。


でも、いいんです。
こうやって、わたしたちが居ることをわかっていて帰ってきてくれる。



グーちゃんがどうして外で過ごすのか、それすら知り得ませんが、
グーちゃんがそうしたいならそれでも構いません。



時折、家に帰ってきて、元気にご飯を食べて、膝に乗って
休んでいってくれたら、満足です。


グーちゃんなしでは生きていけないんです。


帰ってきてくれて、嬉しかったよ・・・グーちゃん。

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