グーちゃんの 真夜中の 散歩

5日目・・・・グーちゃんが4日連続して家に帰ってきたことで、


もしかしたら今日も帰ってくるかもしれない・・・そんなちょっとした予感を
もっていたのです。



真夜中、１２時過ぎて、
またしてもグーちゃんが帰ってきてくれました。


外で生活しているのに、こうしてわが家を忘れないで帰ってきてくれる。
グーちゃんはもしかしたら本当は家に居たい、のではないのか？


そんなことも考えたりしました。



たしかに、
グーちゃんが外で生活するようになったのは、５匹のちびっこネコ兄妹たちが
わが家の家族になってからのことです。



なかなか仲良くなれなかったんです・・・ケンカするわけではないのだけれど。


でも、グーちゃんが外へ異常に興味を持ち始めたのはもっと前のことでした。

この２つの事が要因かもしれません。

ちびっこネコたちが家に居るようになって、
以前から外に出ることが多くなっていたグーちゃん・・・少しずつ外での生活を
考えたのかも・・・・。



ネコは、仲の良いネコと仲の悪いネコが、たしかにいるようです。
これは人間と同様に、どう、とりもっても仲良しにするのは難しいことです。


ちびっこネコたちがわが家にきた時期は、
おそらく生まれてから１ヶ月ちょっと経過していたころかもしれません。


子ネコには変わりありませんでしたが、きちんと歩けましたし、
わたしを追って小走りに駆けてきたぐらいです。


河原の土手に捨てられていた５匹・・・いつ生まれたのかもわからないわたしたちは、
拾った日を５匹の誕生日にしたのです。


その日から、
先住ネコのレオ、ハル、グー、クーの４匹は、ちびっこネコたちの存在が気になり
ちびっこネコたちを住まわせたわたしの部屋に覗きにやってくるようになりました。


しかし、唸ったりすることもあって、しばらくわたしの部屋だけで生活するように
したのです。



ネコは、どんな幼い子ネコでも、
成ネコは無視したりすることもあり、間違うと成ネコに傷つけられたりすることさえ
あるそうです。


警戒心がとても強く、そこには本能の縄張り意識が顔をのぞかせます。


こうして、ちびっこネコたちは５匹だけの生活を余儀なくされたのです。

・・・・しばらくのあいだ成ネコと、ちびっこネコとの状況を観察しながら、
環境がよくなったら同じ空間で一緒の生活をさせてみよう・・・



そう考えていました。



レオやハル、クーは少しずつちびっこネコたちに慣れてきたらしく、日常で、
唸ったりすることはなくなっていきました。


でも、グーちゃんだけは、ちびっこネコたちの存在自体が、気になっているようで
ちびっこネコたちがいる、わたしの部屋の方をいつも気にしていたのです。



あまりにグーちゃんが気にするため、一緒の空間で生活をさせることを
躊躇することもありました。


これは・・・・本当に、難しい問題にぶち当たっていたんです。



小さなカラダの子ネコに、グーちゃんは唸り声をあげますから、ちびっこたちは
怯えてしまうのです。


どうしたらいいのか・・・・回答は見えません。



ちびっこネコたちは、レオやハル、グーやクーを見つけると
走り寄り、遊んで欲しがるのですが、


グーちゃんはとかく逃げ回るいっぽうでした。


逃げ回り、そのうち、ちびっこネコたちにはそれが遊びになってしまいます。

しかし、グーちゃんには遊びではなく、本気なのですから、困りました。



そんな状態のまま、ほぼ１日の全時間を同じ環境下で過ごすようになり、
はじめのうちはグーちゃんも一緒に居たのですが、、、、



・・・・そういう状況下の中で、グーちゃんは、とうとう外で生活するように
なっていったのです。


そこを考えると、グーちゃんは、家がイヤで外で生活しているわけじゃ
ないんじゃないか？ちびっこネコたちの存在がイヤなだけなのか？


・・・難しくて、回答の導き出しが、できません。


仮に、わたしたちが考えているようだとしても、
いまさらちびっこネコたちをどうにかすることはできません。


みな仲良く家で生活してほしいのですが、、現在ではそれは叶うことは
ありえない状況です。



ただ、そうであるなら、
グーちゃんに、申し訳ないことをしてしまったかな・・・と。


できたら、そのうち、グーちゃんとちびっこネコたちが一緒に遊んでいる・・・
そんな時がきてくれたら、


そう願っているのです。



グーちゃんは、昨晩の帰宅で、5日連続のお帰り、、、となりました。
嬉しい半面、


以前のように、家にずっと居てほしい・・・そう思うのですが、
グーちゃんは、


またご飯を食べ終えると、急ぐように外の闇の中へ姿を消しました。

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