木漏れ日に クーちゃん 涼む

家の前に流れる小さな、川。


この小さな川を、管轄の土木事務所が何年か前から掃除をし始めました。


いまさらながら、なぜ今頃になって・・・？

そう思うのですが、、おそらく、新幹線が通ったからなのだろう・・・そう考えて
おります。


それまでは、何も手をつけず、河原の土手は雑草だらけでした。
すごいのは、川の底までひっくり返して土を掘り起こしゴミをさらってしまった
ことです。


否応なく、
自然に生きるはずの小さな生物たちは幼虫のまま息絶えてしまったことでしょう。


ヒトの世界観で自然を守る・・・なんてことは、なんともおこがましいことだと
この光景をみるにあたり、よくよく思ったものです。


この土木事務所が行った清掃は、ある意味では、自然破壊、なのですから。


別に、それを怒っている・・・などというつもりもありませんが。



行政というのは、人間のためにその職務を行うわけで、動物にとって何が
良いことなのか、なんてことを考えるヒトはほぼいないでしょうから。


この小さな川に、
ホタルが帰ってきたのが3年か4年前なのですが・・・・土木事務所が行った
清掃のおかげで、


ホタルはまたもや壊滅したわけです。


今年ははたして、あの緩やかな光を見ることができるだろうか？


それに、この河原の土手に小さな木々が茂っていたのですが、それらもすべて
伐採されて処分された状況です。


この小さな木々のしたの方に、
わが家の4歳になるメスネコのクーちゃんが日向ぼっこしながら、よく昼寝を
したものでした。


木漏れ日がクーちゃんをちょっとだけ照らし、日陰も風に揺れながら
涼しい場所を提供してくれていたものです。


河原の土手とわが家の敷地のあいだには、河川敷の道路が走っています。
クルマ２台は余裕で通れる道です。


夏になると、
クーちゃんはこの危険な道路を渡り、河原の土手まで涼みに行きました。


昼に活動する日中派のクーちゃん・・・
あるとき昼に姿を見かけることが多いはずのクーちゃんが、どこにいるか
見当たらなくなったことがありました。


それが何日か続き、
いったいどこに行っているのだろう？

不思議に思っていたのですが・・・・。


河原の方から家の方へ歩いてくるクーちゃんを発見したとき、
何しに河原の方へ行ってたんだろう・・・と思い、次の日に確認してみました。



次の日のお昼時間・・・
またクーちゃんはどこにも姿を見せません・・・そ～っと河原まで歩を進め、


斜めにすり鉢状になっているコンクリートの壁面を歩きます。
・・・・川の近くまで降りていき、雑草が生い茂っている土手の方を見上げても


クーちゃんの姿をみつけることができません。


昨日はたまたまここに居たのかなぁ・・・そう思いながらも、
土手の上の方へ歩いて登ってみます。


・・・・草木の根元を見ていっているうち・・・黒い物体を見つけたのです。


それはクーちゃんの眠る姿。


小さな木が立っている根っこのほう・・・周りは雑草がちょっとあるけれど、
睡眠の邪魔になるほどではないようです。


クーちゃんのそばに歩み寄り、
・クーちゃん、ここで眠っていたの？・

そう声をかけると、・ニャァン・、、と起こさないで、と聞こえました。


クーちゃんは黒い体毛に覆われていて、夏の日差しは大敵なんです。
多少白い体毛もあるのですが、お腹周りなので、


お日様が当たる黒い毛の背中などは、直射日光になり、暑くてたまらないはずです。


クーちゃんは、涼しいこの場所を見つけて、毎日こうして涼みにきていたんです。
この夏から、

クーちゃんは毎年この場所で涼みを楽しんでいたのですが・・・。
今はもうあの小さな木もなくなって、楽しみがひとつ消えてしまいました。


残念、クーちゃん。


しかし、考えてみると、わが家の敷地内に木を植えればいいことかもしれないです。


川の風のように優しく涼しくはないかもしれませんが、
ちょっとはクーちゃんの支えになるかもしれません。


今年は、３本の木々を植えてみよう・・・。


来年まで大きくなってくれるかなぁ。

タグ：涼む