うるさい ハル

ネコのイメージには、ニャァニャァ、と、よく鳴く・・・ということが
あると思います。


でも、実際にネコと暮らしていると、
ネコってそんなに頻繁に鳴き声を出しているわけではないことがわかります。


必要以上の鳴き声は出さないのです。


ネコが鳴き声をあげるのは、ヒトとの伝心のためと考えられます。


人間と一緒に生活していなかった頃の大昔・・・ネコは野生動物たちと同じく、
鳴き声で敵に自分の居る位置を知られることを恐れていたはずです。


それが、人間と共同生活するようになって、
意思を伝える必要性が出てきたと考えられます。


ペットとしてその不動の地位を築いてきたネコたちは、
自分の要求を伝える手段として鳴き声を出すことを覚えたのです。


人間には、言葉が伝わらないネコは、どうやって自分の思いを人間に伝えるか、、、
こうしてさまざまな鳴き声を作り出していくことになったのでしょう。


わが家のネコたちも、そう思えるところが多分にあります。

ごはんを食べたいとき、カラダの調子が良くないとき、
誰かほかのネコに気分を害しているとき、、


あまりに気温が高く暑い夏の日の思っ苦しさから解放されたいとき・・・。


わが家の７歳になるメスネコのハルは、その中でも多種多様な鳴き声を用いて
わたしたちをギョッとさせてくれます。


とにかく、常日頃からうるさく鳴くのがハルです。

家の中を歩いていても、何をどうして欲しいのかわかりませんが
つきまとい、まるでストーカーのようなありさまを見せてくれるのです。


とても妙ちくりんな鳴き声を出すこともしばしばあって、気持ち悪い気がする
こともあるほど・・・。


裏返せば、それだけ鳴き声が豊富なわけでして、伝えようとする鳴き声の
種類がダントツに多く、


いろんな伝え方を持っているのが、ハルなんだと思っています。


低音で、唸るわけでもなく、ミョーミョー、、などと意味深な感じの鳴き声も
あって、それ、お経？


甲高い調子で早口のように、ニャニャニャー、、、または、オウオウ、といった
意味不明な鳴き声まで・・・うるさいのであります。


間違いなく何かを訴えているのが、このハルであり、ほかのネコたちと
比べると、比べられないくらいにハルだけが毎回鳴いているのであります。


ハルはどうしてこんなに鳴くのか？


まったくわかりません・・・・ただ、外へ出ている時だけは、鳴き声は静まります。


ハルが外で徘徊しているとき、わたしが近寄るまで、鳴くことはしません。
鳴くことでどういった事が危険で、


鳴くことで、飼い主に伝えられることがある、、ということをハルは知っています。
だから、鳴く場所、鳴き声を聞かれても問題のないヒト・・・


これらを区別して鳴き声を出している・・・はハルはそうしているわけです。

うるさいハルですが、ハルが鳴くときのシチュエーションを把握しておけば、
うるさく感じる鳴き声も、


なかなかどうして、とても可愛らしく感じてきます。


ハルのもうひとつの得意なことは、
カミさんと見つめ合うその時の表情です・・・・。


カミさんがハルに話しかけ、ハルがそばに寄ってきて、おちゃんこします。
カミさんの顔を食い入るように見つめ、


カミさんもハルの顔をしっかりと見つめ、・・・お話しをしてあげると、
ハルはとても満足げに薄めになって、鼻を突き出してきます。


ハルがお気に入りの、
アタマを逆なでするように後頭部の方からなで上げてあげると、その表情は
さらに柔和になって、


ベターッとその場にベタ座り状態になりながらしばしのやすらぎを楽しみます。


レオと兄妹のハルは、鳴き声だけならレオにも勝っていますし、
その表情の使い分けもとても見事なものなのです。


キジトラのごく普通に見られる種類のハルですが、念入りに人間と
コミュニケーションを取ろうと、頑張っているのです。


今日、わたしの足元をついて回って、激しく鳴いていたのは、今日の気温が
あまりに高くて、


暑くて暑くてタマンナイヨ～、、だったはず・・・なのです。

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